SFファンのブログですが、宇宙、歴史、人物などもとりあげています…
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2001年-宇宙の旅
2009-11-05 Thu 23:55
by Loby


 今日は、Lobyが大好きな外国の作品、『2001年宇宙の旅』(原題:, 2001: A Space Odyssey)のご紹介です。 原作はかの有名なSF作家、アーサーC.クラークのものでそれを巨匠スタンリー・キューブリックが1968年に映画化したものです。

アーサーC.クラークについてはいまさら説明するまでもなく、20世紀を代表するSF作家の一人であり、科学解説者としても著名です。クラークは惜しくも昨年(2008年)亡くなりましたが、『宇宙の旅』シリーズは今回取り上げる『2001年 宇宙の旅』のほか、『2010年 宇宙の旅』(1984年に映画化) 、『2061年宇宙の旅』、『3001年終局への旅』 の3篇があり全部で4篇あります。

キューブリック監督は『時計じかけのオレンジ』(1971年)や『博士の異常な愛』(1964年←これは観ていません)などの作品で有名ですが、この巨匠も残念ながら1999年に亡くなっています。
『2001年宇宙の旅』は、正しくはアーサーC.クラークとスタンリー・キューブリックの共同制作なのですが、ストリーは当然、クラークが書いています。『2001年宇宙の旅』のベースとなったのは同じクラークの短編 『The Sentinel』(和訳は「見張り」、または「前哨」)であり、私は読んでいませんが人類発生以前の時代から月から地球を観察すべく置かれていた未知の物体の話しです。このストリーを発展させて映画化目的で完成されたのが『2001年宇宙の旅』というわけです。

                  宇宙船ディスカバリー号      
宇宙船ディスカバリー


『2001年宇宙の旅』は発表当時、その作品の緻密さ、リアリティ、科学的考証の素晴らしさで強烈なインパクトをあたえました。 

ちなみに『2001年宇宙の旅』の科学的リアルティについて、SFは「サイエンス・フィクション」の略であるが、科学考証(SF考証)に耐えうる作品はその一部しかなく、映画では特に少ない。本作は例外的と言えるほど、科学的に正しく描写されていると言える。
また、単に科学的に正しいだけでなく、工学的予測としても秀逸なものもあり、21世紀の目にも堪えうる(例えば、航空機にみられるような航行に必要な情報を集約して表示するディスプレー装置など)。科学的に正しい描写としては、例えば次の様な部分が挙げられる。

宇宙空間では音が聞こえない

空気のない宇宙空間では、音を伝える媒体が無く、物理的に音が聞こえることは有り得ない。だが、多くのSF映画、『アポロ13』のような実録ものですらも、宇宙船がエンジンをふかしたり宇宙空間で爆発が起きたりすると、なんらかの効果音を付けてしまっている。しかし本作ではその点、科学考証を厳格に守り、船外のシーンでは(BGMを別にして)一切の効果音を排除し、聞こえるのは無線を通じた呼吸音やノイズのみに限定している。


ディスカバリー号

ディスカバリー号の全体が細部までよく見える

空気のない宇宙空間では、空気の密度の不均一性による光の屈折(不均一性が経時的に変化する場合それは「ゆらぎ」となって現れる)は原理上存在せず、漂う塵による光の散乱も少ない。したがって相当遠方にある被写体であっても、ピント(フォーカス)さえ合っていれば、地球の大気圏内で撮影するよりはるかに鮮明な像となって撮影される(人間の目にも映る)はずである。実際この作品では、宇宙空間を航行するディスカバリー号の映像は、あたかも(宇宙空間上の)遠方から捉えてピントを合わせたかのような細部が全体にわたって均質な克明さで表現されている。
撮影のために製作されたディスカバリー号の最大の模型は、質感をだす等のために十数mの相当大きなものであった。このような被写体に対して、あたかも遠方からピントを合わせたかのような像を得るためには実際に何百メートルも離れた場所から撮影することも考えられるが、それには撮影スタジオの物理的制限、さらには上述の屈折や散乱が顕著になること等の問題があったことは想像に難くない。この作品では、カメラの絞りを非常に絞り、パンフォーカスの効果によって全体にピントの合ったような像を得るという撮影がされた。絞った為に足りなくなった光量を補うために、1コマあたり10分以上の露光時間で撮影された。これは、1秒分の撮影に、露光時間だけで4時間以上をかけたということである。なお(この作品はそうはなっていないが)船体の一部にピントが合っていて、その他の部分はボケているような映像だったとしても不合理ではない(近傍から撮影した状況を想定するならばそうなるはず)。あえて遠方から捉えたような映像にしたのは、ピントずれによるボケが、屈折・散乱によるボケと誤解されるのを避ける意図もあったかもしれない。

               宇宙船「ディスカバリー号」イラスト図
宇宙船ディスカバリー号

宇宙船ディスカバリー号

惑星の分光分析

小説版ではディスカバリー号が小惑星帯を航行中、近くを通過する小惑星に重金属の塊をぶつけて分光分析を行う。2005年にはNASAの彗星探査機ディープ・インパクトが同じようなことを実際に行っている。

間違っていると誤解を受けやすい正しい例
さらに、一見間違っているように見えても、間違っていないシーンもある。例えば飲みかけの飲料がストローを下ってコップに戻るシーンである。この現象は無重量状態では起こりえないと考えられがちであるが、ストローの液体面が上昇するのは気圧差によるものであり、それがなくなれば液体は表面積を小さく保とうとし、この現象は起こりうると考えられている。

ボーマン船長がポッドからディスカバリー号へ戻る時に、宇宙服のヘルメットなしで真空中に出るシーン。一般的には真空中に出ると体が爆発したり血液が沸騰するなどというイメージが浸透しているが、実際は短時間であれば科学的に可能と考えられている。
ただし、本作のこのシーンのように、息を深く吸い込んで口を閉じた状態で真空中に出ると、肺の中の空気が膨張し、肺に大きな損傷を与える危険が大きい。真空中に出る際は、口を開け、肺の中の空気が自然に排出されるようにすべきである。
もっともこのシーンで息を止めてはいけない事について、クラークは理解しており、デュリアに説明するつもりではいたが、撮影当日たまたまスタジオに居なかったため、その機会がなかった。と後にエッセイで述べている。
 (Wikipediaより引用)

以上のように、21世紀の科学技術の点から見ても十分考証に耐える素晴らしい作品であるということです。
映画 『2001年宇宙の旅』のプロローグは、あまりにも有名になったサウンドトラック「ツアラトゥストラかく語りき」(リヒャルト・シュトラウス作曲)が流れ、太陽が地球の影から現れるシーンが映し出されます。この音楽を聴き、映像を観るだけでわくわく気分が高まりますね。

ついでシーンは「人類の夜明け」時代に移り、初期人類である「猿人」たちの姿を見せます。猿人は普通の獣と同じ生活をしていた。 肉食獣を恐れ、少ない餌を取り合い、貴重な水をめぐってグループ同士で争う姿を見せ続けますが、ある日突然、謎の物体が忽然と現れ、それに影響をあたえられた猿人たちは「道具」を使うことを覚える。「道具」を使うということは人類としての進化の始まりであった...
このプロローグ・シーンのラストで猿人がその道具(動物の太い骨)を空高く放り投げると、シーンは一転して「宇宙時代」へ。 


人類の黎明期

モノリス


『美しく青きドナウ』(ヨハン・シュトラウス2世作曲)の軽快なワルツに合わせるかのように華麗に回る宇宙ステーションへ地球からの連絡船(オリオン号)が近づき、格納庫に収納されるシーンが描かれます。

          地球連絡船オリオン号(今はないPanAm会社のもの?)
地球連絡船オリオン号

         宇宙ステーション 現在では回転する必要がないことが分かっている
宇宙ステーション
 
宇宙ステーション

     
        宇宙ステーション内部(床が曲面を栄がいているのに注意)
宇宙ステーション

                月連絡船アリエス号
月連絡船アリエス号

             アリエス号内でサービスをするスペース・スチュワーデス
2001年宇宙ステーション
  アリエス号の月着陸シーン
アリエス号の月基地着陸
月にて

月ではティコクレーターで発掘された謎の「モノリス」が木星に電波を発信していることが判明。
米国は調査のために宇宙船「ディスカバリー号」を派遣することを決定する。
かくして「ディスカバリー号」は5名の搭乗員(船長のデビッド・ボーマンとフランク・プール以外の3人は人工冬眠状態)と最新、最高の人工知能HAL9000型コンピュータを乗せ6億2千万キロの宇宙空間を木星目指して出発した。
    
宇宙船ディスカバリー号

   紫外線いっぱいの宇宙でも健康のためには船内で紫外線を浴びる必要があるのです
宇宙船内部

    
木星に向かって順調に航行していたディスカバリー号だったが、ある日(日なんていうタイムスケージュルは宇宙では使用しないんですよね...)、突然、人工知能HALは通信アンテナの故障を告げる。修理するためにボーマンは宇宙カプセルで船外活動に出るが...
ここからストリーはクライマックスに近づくのですが、それは観てのお楽しみということでここでは明かしません。

    メインテナンス用宇宙カプセル ディスカバリー号には3機搭載しています
宇宙カプセル
  
     宇宙カプセルの計器版 今見ても全然おかしくありません
宇宙カプセルの計器盤

     これはわけの分からないようなシーンの一コマです
時空旅行?


『2001年 宇宙の旅』は文句なしに、世界映画史に残る不朽の名作のひとつですね。ちなみに、同作品は、日本の文部科学省が「特選」に指定している唯一のSF映画でもあるそうです。
まだ『2001年 宇宙の旅』をご覧になってない方は↓の動画でこの作品のスケールの大きさ緻密さを感じてくださいね。





最初にも書きましたが、『2001年 宇宙の旅』には続編 『2010年宇宙の旅』(原題 2010: Odyssey Two)があります。
この続編は、一応、前作 『2001年 宇宙の旅』の完結編のようなもので、連絡を絶ったディスカバリー号を調査するために、9年後の2010年にアメリカとソ連の共同調査隊がソ連の宇宙船レオーノフ号で木星に向かって出発し、木星の衛星イオの軌道上を漂うディスカバリー号を発見するところからストリーは始まります。(クラークは共産主義は永遠に続くと思っていたようですね)
『2010年...』の方は、『2001年...』のような、わけの分からないようなシーン(興味ある方は↓の動画見てくださいね)は皆無で、普通の誰にでも理解できるストリー仕立てになっています。
このわけの分からないようなシーンというのは、ディスカバリー号の船長デビッド・ボーマンが木星の軌道上に現れた巨大なモノリスを調査(時空旅行?)する時に感じたことを観客に見せているわけで延々と数十分続きます(ビデオ/DVDを見る人はこの部分を早送りにしてもOK?) 
映画館で上映されたときは、このわけの分からないようなシーンに耐え切れずに途中で退場した観客がずいぶんいたそうです。

『2001年 宇宙の旅』の特徴は、科学的考証とか高品質なSFX技術を別にして、140分以上という長編映画であるにも関わらず、登場人物がセリフをしゃべるシーンが極端に少ない(20数分?)ということですね。 それとストリーの説明が皆無であることもプラスして、作品後半の飛躍などのわけが分からない人が多かったというのも事実です。そのため、『2001年 宇宙の旅』は賛否両論が極端な作品でもあります。(批判する人はボロ○ソに言いますけど、Lobyは最高傑作だと思っています)


現実と想像(空想)の間

誰でも知っているように、2001年に人類は木星に惑星間宇宙船を送り込むどころか、もっとも地球に近い月にさえ基地を作っていません。 来年は『2010年 宇宙の旅』で人類が地球外生命とコンタクトした年なのですが、今年になってようやく月に水があるかどうかの調査を開始したくらいです。
ちなみに、月に大がかりな基地を建設したり、惑星間宇宙船を建造したりするためには何兆円(ドル?)にものぼる予算が必要だそうです。大国が戦争に明け暮れ、軍備増強に予算の大半を消費している現状では、『2010年 宇宙の旅』で超進化した知性によって人類が諍いを止めた様なことでも実際に起きない限り、宇宙旅行とか月面基地とかは夢のまた夢なのでしょうね...





 ソ連の宇宙船レオノフ号が発見したのは木星の惑星イオの軌道上を漂うディスカバリー号だった
ディスカバリーとイオ
>
       ソ連の宇宙船レオノフ号 いかにもソ連製らしく頑丈そうです
        (前方に巨大なモノリスとディスカリバー号が見えます)
宇宙船レオノフ号

            木星軌道上のディスカバリー号
 木星軌道上のディスカバリー号

  アーサーCクラーク (1917年 - 2008年)
アーサーCクラーク 

アーサーCクラークの作品『2010年 宇宙の旅』、『2061年 宇宙の旅』と『3001年 宇宙の旅』
アーサーC.クラークの作品 ファイナルオディセイ



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この記事のコメント
『時計じかけのオレンジ』は大好きな映画で記事にもしております。確かアクセスベスト10にも入っております。w
『2001年宇宙の旅』は名作ですよね。好きです。見ている間に眠くなっちゃいますが。w (;^ω^)b
パンナムのシャトルは実現しませんでしたね。パンナムのマーク格好良くて好きだったんだけどなー。w (´∀`)ノ

(^ー^)ノシ
2009-11-06 Fri 23:33 | URL | モッズパンツ #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
モッズパンツさん、こんばんは。
「時計じかけのオレンジ」は強烈なインパクトの映画でしたね (゜ー゜)(。_。)ウンウン
「2001年...」は前半までは一生懸命観ます。後半は。。。
この作品に出てくる連絡船とか宇宙船とか月面基地とかって、現在、実現化しつつあるものよりもっとカッコいいですよね♪
2009-11-07 Sat 04:20 | URL | Loby #2xh5UkL6[ 内容変更] | ∧top | under∨
宇宙の話ってわくわくしますよね。
『2001年宇宙の旅』は観たはずなのにあまり印象にありません(+_+)やばい…
娯楽作品って感じでも無かったような…!? 硬派ですよね。
その点、『スタートレック』は結構憶えている!(^^)!
『時計じかけのオレンジ』奇天烈な感じですけど、
内容は結構正当な話だったような…。
いつか私も他の星から地球を見てみたいです(*^_^*)
2009-11-08 Sun 23:03 | URL | おりおん #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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