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世紀の発見
2016-03-05 Sat 04:14
 ちょっと古い話ですが(といっても今年1月のこと)、米カリフォルニア工科大学の研究者たちは、1月20日に、太陽系外縁部に9個目の惑星とみられる物体が存在している証拠を発見したと発表しました。
この星は通称「プラネット・ナイン」。カリフォルニア工科大学によると、地球の10倍の質量を持ち、太陽から海王星の平均距離(約45億キロ)より20倍遠く離れた軌道を1万~2万年かけて周回しているそうです。なお、この天体は木星や土星などと同じガス惑星とみられるとか。

研究者が実際にこの惑星を観測したわけではないけど、他の研究結果から第9の惑星が存在するとの結論を導き出した。
研究者によると、海王星の軌道の外側に広がる「カイパーベルト」と呼ばれる領域に、軌道が特定の方向にとがっている複数の天体があり、数学的なモデルやコンピューターを駆使したシミュレーションから、こうした複数の天体の軌道の形成に影響を及ぼす重力を持つ惑星が存在するとの結論に至ったのだそうです。(参照記事

第9惑星の想像図 (Credit: Caltech/R. Hurt (IPAC))
planet_9_art_1_.jpg



海王星の軌道の外側を回る軌道を持つ、既知の6つの天体の軌道は、すべて一つの方向に並んでおり、このような軌道の整列は一地球の10倍の質量を天体があると想定(計算上)すると説明がつくと研究チームは発表している。
惑星の影響下にあるとみられる6個の天体には2003年に発見された直径約千キロの「セドナ」や2014年に報告された「2012VP113」と呼ばれる直径約四百五十キロの天体が含まれています。

第9惑星の軌道図 Credit: CALTECH/R. HURT (IPAC)
planet-9-evidence-minor-planets-e1453321823426.jpg


ご存じのように、太陽系の第9惑星はもともと冥王星でしたが、質量が小さいことなどを理由に、2006年の国際天文学連合総会で準惑星に格下げされています。カリフォルニア工科大学の研究チームが存在を推定しているこの天体について、同研究チームは、「研究チームは、米メディアに対し「5年以内には望遠鏡で発見されるのではないか」と予測を示しており、発見されると正式に惑星として認定される大きさを持っているだ」と自信を見せているそうです。



なお、宇宙科学に詳しい的川泰宣(やすのり)・宇宙航空研究開発機構名誉教授の話 太陽系の外縁部に第九の惑星があるのではないかという指摘は以前から繰り返されているが、観測や第三者の再計算によって確かめられてはいない。そうした惑星があってもおかしくないし、あれば、太陽系の成り立ちを解明するのに非常に大きな一石を投じることになるので面白い、と述べています。
なお、 新天体の大きさは不明ですが、米メディアによると、海王星ほどの大きさになり、地球の月のような衛星も持っている可能性があるそうです。(参照記事

しかし、正直な話、第9惑星が実際に発見されたとしても、それは太陽系生成の謎を解く鍵の一つになるかも知れないけど、あまりにも地球から遠すぎて、人類にはあまり関係ありませんね。


「世紀の発見」重力波の存在

しかし、ニュースバリューの点からも、科学的・物理天文学的にも大きなニュースは、アメリカに本拠を置く国際研究チーム、 通称LIGO (レーザー干渉計重力波観測所=Laser Interferometer Gravitational Wave Observatory)が2月11日に発表した、科学史上初めての重力波観測の発表でしょう。


gwaves_feat-new.jpg


LIGOの発表後、重力波についてはニュースなどでたびたび取り上げられ、専門家などによる説明なども行われていますが、重力波とは、時空(重力場)の曲率(ゆがみ)の時間変動が波動として光速で伝播する現象のことで、1916年に、一般相対性理論に基づいてアインシュタインによってその存在が予言されていたものです。アインシュタインは、重い物体が激しく運動するときに周囲に重力の変化を起こし、その影響が波として伝わっていくと予言しました。この光の速度で伝わる波こそが重力波で、これまでの宇宙観測で重要な役割を持つ電磁波(光)を補完する重要な情報であると考えられています。

ブラックホール誕生の瞬間など、宇宙空間で起こるビッグイベントで重力波は放出されるので、重力波を観測できれば強力な重力で光を飲み込んでしまうブラックホール誕生の瞬間を直接、観測できるようになると期待されてきました。つまり、「重力波」は、ブラックホール誕生の観測や、宇宙の成り立ちの解明につながる重要な天体現象と考えられているのです。(Wikipediaより引用)
その後、100年近くにわたって重力波の検出が試みられていたものが、今回、LIGOが検出したと発表したものです。


LIGOプロジェクトは、1992年にカリフォルニア工科大学とマサチューセッツ工科大学による共同研究でスタートし、欧米の有名な研究所などの支援を受けてアメリカ国立科学財団(NSF)が設立。2015年9月に総額6億2000万ドルをかけた「世界最大の重力波施設」が完成したもので、ルイジアナ州リビングストンとワシントン州ハンフォード・サイトに重力波検出器を設置しています。
ちなみに、両観測所間の距離は3000 kmあり、光速度で伝播する重力波の到達時間として約10ミリ秒の差が出るため、波源からの2つの施設への重力波の到達時間の違いから、三角測量を応用して波源の位置を知ることができる仕組みとなっています。
なお、同プロジェクトにかかわる研究者たちは、LIGO科学コラボレーションという組織を作っており、世界の900人以上の科学者が参加しているそうです。

ルイジアナ州リビングストンにある全長4Kmの干渉
HiResLivingston_5.jpg

LIGOのハンフォード制御室
640px-LIGO_control.jpg


ちなみに、このLIGOですが、2002年から2010年までの初期型干渉計による最初の運用では重力波を検出することはできなかっため、施設を数年間停止して2億ドルをかけた改良を行い、検出感度をはるかに高めた「改良型LIGO」検出器に置き換えられています。


日本の重力波望遠鏡

LIGOに先を越されたものの、日本もKAGRA( Large-scale Cryogenic Gravitational wave Telescope、愛称かぐら)と呼ばれる重力波望遠鏡(干渉計の全長3Km)をスーパーカミオカンデやカムランドXMASSと同じ岐阜県の神岡鉱山内に建設中。2016年3月~4月に稼働実験を実施、2017年後半には本格観測は始める予定だそうです。

KAGRAの全体図
かぐら

KAGRAの全長3Kmの真空ダクト
かぐら干渉計



さて、LIGOが”感度不足”という、重力波検出にとって致命的な問題から2億ドルを追加して改良したことを書きましたが、それは重力波が引き起こす伸縮が非常に小さいためです。そのほかにも、重力波干渉計を揺り動かすありとあらゆるものが雑音となるため、極力それらを取り除くテクノロジーが不可欠となります。それら雑音の中でも、特に大きい影響をあたえるのが、地面の振動と、装置の熱振動です。KAGRAも、その影響に十分に対処するための戦略や技術開発を、東京大学宇宙線研究所が主導となって、高エネルギー加速器研究機構や自然科学研究機構国立天文台も主要な推進機関として行っています。

例えば東大宇宙線研究所は、地面の振動の影響を避けるために、そもそも地面の振動が小さい場所をKAGRAの建設場所として選定しました。それが、旧神岡鉱山内の地下200メートル以深に新たに掘削した地下トンネル空間です。地面振動は地表に比べて100分の1以下と小さくなっており、重力波望遠鏡の安定的な運用にとっては大きなメリットとなります。
KAGRAは3キロメートルの2本の腕をL字型に組み合わせた形をしています(前述のLIGOも同じ形式)。

重力波の発生源 (Credit: KAGRA公式サイト
GWgeneration-650x184.jpg



ただ、このように地下に設置するだけでは、まだ地面振動の影響が残っていますので、鏡をその振動からさらに防ぐ高性能な装置が必要になります。この鏡防振装置を主に開発しているのが国立天文台です。国立天文台は、重力波望遠鏡TAMA300(腕の長さ300メートル)を東京都三鷹市の国立天文台構内に設置し、1999年に世界に先駆けて重力波観測を開始しました。非常に精密な振り子や特殊なばねを用いて鏡を振動から守る技術を開発し、TAMA300では世界最高の感度や1000時間を超える世界最長の連続観測を実現しました。ここで培った技術が、KAGRAにも活かされています。 (参照サイト

このように、KAGRAは日本の最先端の技術を結集したものであり、完成の暁、KAGRAは世界最高精度の重力波望遠鏡となる予定です。上述の、KAGRAの2つの対振動対策はLIGOにないもので、これらはLIGOやVIRGOをはるかに凌ぐ検出度を持つことになります。そのため(?)、アメリカのLIGOとイタリアのVIRGOがそれぞれ Advanced LIGO と Advanced VIRGO 計画で観測精度をKAGRAと同等に引き上げる改良を進めています。2016年2月には、LIGOグループは、ブラックホール連星からの重力波をはじめて捉えることに成功した、と発表した。しかし、レーザー干渉計による測定では、少なくとも3台以上の干渉計の同時観測がないと、どの位置から重力波が来たのかは特定できない。これら複数の設備が協調すれば、到達時間の差から重力波源天体の方向を割り出すことができる。(Wikipediaより引用

          

           



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